まだ寒さの残る時期に、ひと足早く春の気配を感じさせてくれる梅の花。東京都内では、毎年1月下旬から3月にかけて各地で「梅祭り」が開催され、美しい梅の花の鑑賞だけでなく、さまざまなイベントや屋台も楽しむことができます。今回は、2025年に都内各所で開催される梅祭りの魅力について、開催場所や期間、見どころ・イベント情報などと併せてご紹介します。事前にオンラインで公開されている写真や動画をチェックして、梅祭りの雰囲気を味わってからお出かけするのもおすすめです。

1. 2025年 東京都内の主な梅祭り一覧

下記の表に、2025年に東京都内で予定されている主な梅祭りをまとめました。開催期間や内容は変更になる可能性がありますので、公式サイトや各施設の最新情報を必ずご確認ください。

まつり名

開催場所

開催期間

入場料

見どころ・イベント

アクセス

府中市郷土の森博物館 梅まつり

府中市郷土の森博物館

2月1日~3月9日

未定

1,100本の梅、夜間ライトアップ(2/15,16,22,23,24)、星空観望会、武蔵国府太鼓演奏会、梅まんじゅう付き呈茶、ロウバイの小径

府中駅よりバスで約15分

せたがや梅まつり

羽根木公園

2月8日~3月2日

未定

紅梅白梅合わせて約600本の梅。野点、琴の演奏、俳句大会、写真コンテストなど(2025年の開催内容は未定)

梅ヶ丘駅より徒歩3分

向島百花園 梅まつり

向島百花園

2月8日~3月2日

無料(入園料別途)

江戸大道芸、すずめ踊り、野草ウォッチング、お茶会、庭さんぽなど

東武伊勢崎線「曳舟」駅より徒歩約13分

湯島天神梅まつり

湯島天満宮

2月8日~3月8日

無料(境内無料)

約300本の梅、奉納演芸、物産展など

湯島駅より徒歩10分

小石川後楽園「梅香る庭園へ」

小石川後楽園

2月1日~3月2日

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約150本の梅、水戸徳川家ゆかりの白梅「光圀」など

飯田橋駅より徒歩10分

六義園「ツバキとともに梅見を楽しめる」

六義園

1月下旬~2月下旬

-

約20本の梅、ツバキ、吹上茶屋でのお抹茶と上生菓子

駒込駅より徒歩10分

亀戸天神社の「梅まつり」

亀戸天神社

2月2日~3月2日

-

300本を超える梅

-

羽根木公園

羽根木公園

12月中旬~3月上旬

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池上梅園の「丘稜斜面に広がる色とりどりの梅林」

池上梅園

2月初旬~3月初旬

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赤塚梅まつり

板橋区立赤塚植物園

情報なし

情報なし

情報なし

東武東上線「成増」駅南口から徒歩約15分

2. 各梅まつりの見どころ

● 府中市郷土の森博物館 梅まつり

約60種類、1,100本もの梅が植えられており、紅梅や白梅などが色鮮やかに咲き乱れます。特に2月15日、16日、22日、23日、24日の夜間ライトアップは必見で、昼間とは異なる幻想的な風景を楽しむことができます。また、星空観望会や武蔵国府太鼓演奏会などのイベントも盛りだくさん。さらに、当館オリジナルの「梅まんじゅう」付き呈茶がいただけるのも魅力のひとつです。ロウバイの小径では、甘い香りが漂うロウバイをゆったり鑑賞できます。

なかでもおすすめは、2月22日に予定されている星空観望会。夜空に輝く星々とライトアップされた梅との競演は、特別な雰囲気を味わえる貴重な機会です。

● せたがや梅まつり(羽根木公園)

世田谷区の羽根木公園で開催される「せたがや梅まつり」は、紅梅白梅合わせて約600本の梅を鑑賞できます。府中市郷土の森博物館と比べると地域に密着した雰囲気が特徴です。過去には野点(のだて)や琴の演奏、俳句大会、写真コンテストなど、多彩なイベントが開かれてきました。2025年の具体的な開催内容は未定ですが、例年多くの来場者で賑わうので、最新情報をチェックして足を運んでみてください。

● 向島百花園 梅まつり

向島百花園は江戸時代後期に開園した歴史ある庭園で、かつては約360本もの梅が植えられ「新梅屋敷」と呼ばれていました。現在でも約20種類の梅が咲き乱れ、梅の多様性を楽しむことができます。「梅まつり」開催中は、江戸大道芸やすずめ踊りなどの催しが行われ、江戸の文化を体感できるのも魅力です。野草ウォッチングやお茶会、庭さんぽなどを通じて、日本の四季と伝統文化を同時に味わえる貴重な機会となっています。

向島百花園 梅まつり 2025

向島百花園では、2025年2月8日(土)から3月2日(日)まで、「梅まつり」が開催されます。江戸時代から続く美しい庭園で、梅の花が彩る特別なひとときをお楽しみいただけます。 開園時間は午前9時から午後5時までで、最終入園は午後4時30分までとなっています。場所は東京都墨田区東向島3-18-3にある向島百花園です。入園料は一般150円、65歳以上70円で、小学生以下および都内在住・在学の中学生は無料で入園できます。

向島百花園 梅まつり 2025

● 湯島天神梅まつり

学問の神様として知られる湯島天満宮では、2月上旬から3月上旬にかけて「梅まつり」が開かれます。受験シーズンの真っ只中に開催されるため、多くの受験生やそのご家族が合格祈願に訪れます。境内には白梅を中心とした約300本の梅が咲き誇り、土日祝日には奉納演芸や物産展も催され、合格祈願だけでなく梅の花見も楽しめる賑やかな雰囲気です。

● 小石川後楽園「梅香る庭園へ」

水戸徳川家ゆかりの小石川後楽園では、2月1日から3月2日にかけて約150本の梅が見頃を迎え、白梅「光圀」などの希少な品種が楽しめます。園内の景観は風情たっぷりで、都会の喧騒を忘れさせてくれます。

● 六義園「ツバキとともに梅見を楽しめる」

小石川後楽園と並ぶ江戸の大名庭園として知られる六義園では、1月下旬から2月下旬にかけて約20本の梅が咲きます。数は多くありませんが、そのぶん落ち着いた雰囲気で梅とツバキを同時に楽しめるのが魅力。園内の吹上茶屋では、お抹茶と上生菓子を味わいながら、ゆったりとした時間を過ごすことができます。

● 亀戸天神社の「梅まつり」

江東区にある亀戸天神社の境内には、300本を超える梅が植えられています。例年2月上旬から3月上旬にかけて見頃となるため、亀戸天神社にお詣りがてら、鮮やかな梅の花を楽しんでみてはいかがでしょうか。

● 羽根木公園

すでに「せたがや梅まつり」の会場としてもご紹介した羽根木公園は、12月中旬頃から早咲きの梅が見られ、3月上旬まで長く花を楽しめるスポットでもあります。公園ならではの散策のしやすさがあり、家族連れでのんびり訪れる方にもぴったりです。

● 池上梅園

大田区の池上梅園では、2月初旬~3月初旬にかけて丘陵斜面に広がる梅林が見頃を迎えます。紅白の梅が色彩豊かに咲き誇り、高低差のある風景が美しい写真スポットとしても人気を集めています。

● 赤塚梅まつり

板橋区立赤塚植物園で開催される赤塚梅まつりですが、2025年の詳しい情報はまだ公開されていません。東武東上線「成増駅」から徒歩約15分でアクセス可能。例年、地域の方々が参加するイベントが企画されているので、公式サイトなどで最新情報をチェックしましょう。

3. さらに足を伸ばして楽しむなら「高尾梅郷」へ

東京都内でも規模の大きな梅の名所として知られる高尾梅郷は、7ヶ所の梅林が点在し、それぞれに違った特徴があります。中でも木下沢(こげさわ)梅林は約1,000本の梅が咲き誇ることで有名です。都心から少し足を伸ばして、大自然の中で梅を楽しんでみるのもおすすめです。

4. 梅祭りをより楽しむためのポイント

梅を楽しむ上で気をつけたいポイントをまとめました。下記の表を参考に、より快適に梅の花を満喫してください。

ポイント

詳細

開花状況の確認

梅の開花時期は気候に左右されるため、公式サイトやSNSで最新の開花状況をチェックしてから訪れると、ベストなタイミングで花を楽しめます。

混雑を避ける

土日祝日は多くの人で賑わいます。平日や開園直後を狙えば、比較的ゆったりと花を鑑賞できます。

写真撮影のコツ

午前中の明るい時間帯は光が安定し、花の色がより鮮やかに写ります。逆光を避けるために太陽の位置にも注意しながら撮影してみてください。

防寒対策

まだまだ寒い日が続く時期でもあるため、暖かい服装やマフラー、手袋などで体を冷やさないようにしましょう。長時間の散策にも備えておくと快適です。

まとめ

東京都内では1月下旬から3月にかけて、各所で多種多様な梅祭りが開催されます。夜間ライトアップや星空観望会が行われる府中市郷土の森博物館の梅まつり、地域の活気が感じられるせたがや梅まつり(羽根木公園)、江戸時代から続く向島百花園の文化体験、学問の神様を祀る湯島天神の梅まつりなど、それぞれに特色があります。

梅まつりに行く前には開花状況を確認し、混雑を避ける時間を選び、防寒対策も万全にして早春のひとときを満喫してください。都内のさまざまな名所で、美しい梅の花を眺めながら新しい季節の訪れを感じるのは格別です。ぜひ2025年の梅祭りを楽しみ、思い出に残る素敵な時間をお過ごしください。

開催中のイベント一覧

リアル脱出ゲーム「郵政博物館と時を超えた手紙の謎」

東京スカイツリータウン
体験・ワークショップ・アクティビティ
・館内に仕掛けられた謎を解きながらゲームクリアを⽬指す回遊型の体験型ゲーム・イベント「リアル脱出ゲーム『郵政博物館と時を超えた手紙の謎』」(以下「本イベント」)を、2024年7⽉5⽇(⾦)から開催します。 ・本イベントの参加者は、は郵政博物館内の架空の組織「迷子の手紙研究室」の一員となります。過去に出された手紙が時を超えて現代へと迷い込み、「その手紙が届かなかった世界」に現在が書き換えられてしまう「迷子の手紙現象」の解明を目指します。謎を解くことで本来届くはずであった人のもとに手紙を届け、途切れてしまった人々の想いを修復することが本イベントの目的です。

満月に開く 秘密のBar(バー)

東京スカイツリー(R)
施設イベント
夜の展望台で、月と夜景を眺めながら満月にまつわるドリンクを楽しめるバーイベント。満月の日をはさむ約10日間の夜限定で実施され、スカイツリーのライティング 「粋」や「雅(みやび)」をイメージしたカクテル、スカイツリーのライティング 「幟(のぼり)」をイメージしたノンアルコールカクテルを楽しめるほか、SKYTREE ROUND THEATER(R)で、東京スカイツリーからのきらめく夜景とともに満月にちなんだ特別映像を鑑賞できる。館内BGMも月にまつわる曲になり、地上350メールの秘密のバーでリラックスしたひとときを過ごせる。

謎解きはコーヒーのあとで謎の喫茶店

サニサニーピクニック
体験・ワークショップ・アクティビティ
のんびりと謎解きを楽しみたい人や、謎解きイベントに行ったことがない人も、不思議なカフェの中で自分たちのペースで謎を解くことができる。30分から60分で楽しめる謎解きが複数あり「謎の喫茶店」終了後もゆっくりできる。土日祝日はホームページより予約可能。

Olinas (オリナス) クリスマスイルミネーション 2024

オリナス錦糸町
季節のイベント
東京都墨田区のオリナス錦糸町で開催されるクリスマスイベント。オリナスモール館内には、12月25日(水)までの限定展示で巨大なクリスマスツリーが設置され、館内全体を華やかに彩る。また、見上げると眩いばかりの光のシャワーや暖かい光の路が、心躍るクリスマスの雰囲気を演出する。

スティールパンをきいてみよう!たたいてみよう! 「ほくさいスティールパン練習会」

トッピングイースト
体験・ワークショップ・アクティビティ
トッピングイーストでは、子ども・若者が気軽に立ち寄れて、音楽が身近に感じられる「みんなの音楽室」づくりに取り組んでいる。その取り組みの一環で、11月30日(土)より全6回にわたって、スティールパン練習会を開催。「ほくさい音楽博」の講師としてもお馴染み、日本を代表するスティールパン奏者・原田芳宏さんといっしょに、スティールパンの楽器や演奏を楽しんじゃおう!

MOTアニュアル2024 こうふくのしま

東京都現代美術館
文化・芸術・スポーツ
東京都現代美術館では、現代美術から新たな側面を引き出すグループ展「MOT アニュアル」を継続して開催している。第20回を数える今展では、清水裕貴、川田知志、臼井良平、庄司朝美の作家4名を、その最新作とともに紹介する。今展では、「島/しま」を切り口に、足元に広がる複雑で多義的な状況に対して、個々の視点から見直す4名の作家の作品から、戦後日本の地形や風景を再考する。

MOTコレクション 竹林之七妍/小さな光/開館30周年記念プレ企画

東京都現代美術館
文化・芸術・スポーツ
会期ごとに様々な切り口を設けて収蔵作品を展示しているMOTコレクション。1階では「竹林之七妍(ちくりんのしちけん)」と題し、新収蔵作品を中心に7人の女性作家に焦点を当てる。3階では同館の開館30周年を記念し、イケムラレイコ、マーク・マンダースの特別展示を含む「開館30周年記念プレ企画 イケムラレイコ マーク・マンダース Rising Light / Frozen Moment」を開催する。

隅田川 七福神 向島の名所と寺社

すみだ郷土文化資料館
文化・芸術・スポーツ
七福神めぐりでは、正月元旦から七日にかけて七つの福神をめぐるお正月の開運行事です。19世紀の江戸で盛んに行われ、やがて地域ごとに七福神めぐりが創設されましたが、谷中・深川・隅田川の七福神めぐりはとりわけ人気がありました。隅田川七福神は、一説によれば文化元年(1804)に佐原鞠塢(さはらきくう)が開いた向島百花園に集まった文人たちによって形作られたといわれています。江戸時代の向島周辺には寺社や料亭など名所が集まっており、江戸市中から日帰りできるという地の利もあって、風景を愛で、名物を味わえる行楽地として大変にぎわいました。江戸の人々の楽しみであった隅田川七福神は、安政江戸地震(1855)などから一時衰退しますが、明治31年(1898)頃に発足した隅田川七福会によって徐々に人気が復活し、現在では都内随一の七福神めぐりとして人気を博しています。平成15年(2003)には、区民の生活文化を語る慣習として、墨田区登録無形民俗文化財に登録されました。本展示では、お正月の風物詩である隅田川七福神と寺社、向島の名所について文献資料や浮世絵などから紹介します。